【投稿】 今、ユマニチュードに母を想う

 ユマニチュードは、近年日本にも取り入れられ始めたケアの技法でNHK報道などを通して知る人も多いと思います。この言葉はもともとフランス語で〝人間らしくある状況” を指します。つまりその人の〝人間らしさ” を徹底的に尊重しながら介護するという哲学に基づいています。具体的には150を超える実践技術から成り立っていますが、個々には昔から介護に用いられてきた技術であるにかかわらず、この哲学下に実践すると魔法のような効果をもたらすと言われています。
 今回、会員の杉本さんが下記の感想文をお寄せくださいました。掲載と同時に例会でのユマニチュードの解説をお願いしたところ、ご快諾を得ております。 記:編集局


   今、ユマニチュードに母を想う    杉本正隆

 私がユマニチュードに出会ったのは、母が亡くなった後でした。
 もし、ユマニチュードの技法がもっと早く確立され、我々にも伝えられていたらと残念です。

 この手法では、介護者から被介護者への一方的コミュニケーションが双方向性に改められ、介護者と被介護者が多くの意思を共有するのです。

 母の介護は、10数年前からスープの冷めない距離で行っておりました。そして、昨年他界。

 最初は認知症状も気にならない程度でしたが、2012年8月の深夜に嘔吐し、病院で14日間の安静をした以降、母の方がどんどん遠くに行くような感じがあり、イライラし不安そうな母をただ受け入れ、見守るしかありませんでした。

 今振り返ると、あの時ユマニチュードの哲学を理解し実践していれば、母の不安も軽くなり、もっと自然な笑顔が多く見られたのではないかと思います。

 人は、歩けなくなると安全な所に逃げることが出来ず、その場で守りに入るより仕方ありません。したがって、少しでも不安なことがあれば全てを拒否し、介護者にも敵対するような振舞いをするのです。母もそうでした。

 ユマニチュードは、被介護者の警戒心を刺激せず、その低下して行く認知力に合わせて、被介護者本位に介護を行う技法です。まず介護者が敵ではなく味方であることを認識して貰い、こちらの意図を共有してもらうことが重要なポイントです。

 もし寝たきりの患者さんでも、毎日20分間の立位でのケアが出来れば、次第に助け歩きが可能となり、次いで自我が確立されて警戒心も軽減され、介護者の意思を共有して遂には自分の意思で歩くことができるようになります。亡くなった母もそうなったかもしれません。   ー了ー

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コメント

杉本さんに同感です。私が25年前にユマニチュードを知っていたら、母ももっと沢山の笑顔で暮らせたでしょう。会員の一言に出ていた「和顔愛語」(良寛禅師)も同じことだと思います。
2014/ 09/ 14( 日) 11: 24: 18| URL| SVくん# FVuPBQZ2[ 編集 ]
 
投稿を続けて頂くことを願っていますし、楽しみにしています。
2014/ 09/ 14( 日) 09: 19: 38| URL| キーやん# mB.BT9Ic[ 編集 ]
 

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