【聞いて】 感情労働


◎感情労働

 感情労働という言葉をご存じでしょうか。 
 私は先日、ある講演会で初めて耳にしました。
 
 肉体労働は主に製造業、
 頭脳労働は主に研究職、
 感情労働は主に介護職。

 介護職にも肉体労働、頭脳労働の側面はあり、
 また他業種にもそれぞれが欠かせない要素としてあります。
 その上で介護職は感情労働。
 その言葉を聞いて、その通り!という実感を持ちました。

 介護職は、支援対象者の行動(発声等を含む)からその心理を推し量る必要があります。
 どのような精神状態で、何を求めていているのかを想像します。
 表出する行動はさまざまでも、その元となる心理は人として共感できるもので「みんな同じ」です。
 そのような発想をするには、経験と知識、ときに感情の抑制が求められます。
 また、感情は伝わるものですから、自らの感情を良い状態に保つことがプロとしての質、あるいは向き不向きを決めるのかもしれません。
 感情労働という言葉がぴったりだと思います。

・身内において

 講演は、職業としての介護の話でしたが、身内における介護の方がより感情の抑制が必要なのではないかと思いました。
 表出した行動の心理に共感を得たとしても、それに合わせた応対をするまでの感情のハードルは、職業としてよりも身内のほうが高く大きく、途方もないと思います。もちろん、感情のハードルの高さはそれぞれ違うのでしょうけれど。

 介護者も支援対象者も介護に係わりのない人も「みんな同じ」です。
 お互いに眼前の相手に対する感情があり、向きあう人によって感情が行動を変えさせます。
 職業としての介護よりも、桁違いに複雑な感情を積み重ねた身内であるからこそ、相手の心理に感づいていながらも、応対を先送りにし、せっぱつまらないと動けないことがあるかもしれません。しかし身内だからこそ、何気ない行動からかすかな心理に気づき、細やかな応対ができるとも思うのです。

 もしわずかでも、介護者の感情の支えになれるとしたら、
「行動の心理を説き、こうするべきと伝える」よりも、
「そうなんですね」「わたしはこういう経験があります」といった共感なのではないでしょうか。
 そして、共感が感情の支えになるのは支援対象者にとってもそうだと思います。

 「みんな同じ」
 感情の奥深さを感じた講演でした。

 文:テレビ前
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コメント

>介護現場の方が「外の現場や交流・勉強会」に公認参加できる職場は素晴らしいと思います

そうですね。
制限されている職場はほぼないと思いますが、個人の時間に個人の費用での参加が多いですね。もちろん施設運営に必須な要件に関する講習は業務として受講するのでしょうけれど。

私見ですが、個人の時間を職務に生かすための自己研鑽に使うべきとは思いません。そうしたい人はそうすればいいと思います。
そこに興味(=趣味)があるのならいいことだと思います。

ちなみに記事の講演はある団体が定期主催しているもので、現場の職員、関係者の方が多数参加していました。毎回講演の後、懇親会(飲み会)を行っているようで、横のつながりができているのが素敵だと思いました。
2015/ 12/ 12( 土) 19: 55: 53| URL| 編集係より# 2Q1Nccu2[ 編集 ]
 
介護現場の方が「外の現場や交流・勉強会」に公認参加できる職場は素晴らしいと思います。
少しづづでも土台を固める経営トップの姿勢はありがたいことでしょう。
2015/ 12/ 12( 土) 10: 49: 46| URL| てんしん# -[ 編集 ]
 
いわれてみれば、感情労働の比率が多いですかね。
疲れの回復が遅いとか、ガッツポーズに縁がないとか、・・達成感や満足感はうちに秘めることになり、良かったのかどうかが追いかけてくる。つらいですね。
2015/ 12/ 11( 金) 12: 40: 42| URL| てんしん# -[ 編集 ]
 

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